野生の生きものが生息する場は、「人の手を排除して自然のままがいい」という考え方と、「人が自然と関わることによって多様な生きものが生息できる環境ができる」という考え方があります。
田んぼや雑木林などは、人の手が加わることで形成され、維持されてきた生きものの生息地です。雨が多く、植物の成長が早い日本の自然は、放っておくと短期間に植生が遷移※して生息する生きものの種類も少なくなります(※簡単に言うと大地は放っておくとその土地に合った植生の森に戻ります)。私達が円山で耕作する場の隣の田んぼは、耕作放棄されたらすぐにセイタカアワダチソウだらけになりました。その次はヤナギやハンノキなどが茂って樹林化するでしょう・・。一昨年田んぼに戻した場所は、ガマとヤナギの幼い木だらけでした。
人が手を加え、毎年イネを作り続けることで、遷移する(森に戻ろうとする)植生を逆戻りさせ、複雑な環境構造が更新されて、たくさんの生きものや水生植物、湿地植物が生活できる環境になっています。田んぼで米を作り続けることは、人だけでなく、生きものの快適な生息環境を作る営みでもあるのです!
私達がしている米作りは、農薬を使わない手作業が基本なので、必然的に草や生きものを観察することになり、それと付き合う術や知恵を生まれてきます。生きものが必死に生きて子孫を残そうとしている姿をみて、特にこども達は、色々感じることがあるんではないでしょうか。
生きものと暮らすことへの感謝と畏れ、命の営みの中で米がとれる喜び・・何をみなさん感じるでしょうか?
0コメント